Twilioで電話を受ける人の仕事を少し楽に出来ないか考えてみた
2017/12/10
Twilio Advent Calendar 2017の参加記事です。
Twilioでコールセンターとか電話を受ける人の仕事を少しでも楽に出来ないかを考えてみました。
一部のユースケースにフォーカスをあてて考えてます、かつ、そのユースケースにおいても、もっともっと、効果的な使い方はあると思います。
一例として読んでいただければ幸いです。
目次
課題例
例として電話を受けてからの業務を想像してみました。
- お客さんが電話で何か問い合わせや依頼をします。
- 手元に顧客情報にアクセスする端末がない場合はお客様名、内容をメモしてあとで顧客情報を検索して、お客さんを特定して内容を記録します。
- 顧客情報にアクセスする端末がある場合はお客さんに必要な情報をヒアリングしてお客さんを特定して、内容を記録します。
考えられる課題
- 顧客情報が該当しなかった場合誰からの電話だったかが不明となるか記録ミスとなる
- 検索する手間が発生する
- 特定のためのヒアリングに時間を要する
- 時間を要した分フリーダイヤルのコストがあがる
- あとで記録登録とした場合に漏れが発生する
対策
- コール時間短縮のための自動応答
- フォローメール自動送信
- 顧客特定の自動化
- 記録の自動化
- 内容未記録の入力補助とアラーム
ひとつづつ実現方法と考えられる効果を考察していきます。
コール時間短縮のための自動応答
以前は電話を必要とする顧客は、webやメールがどちらかと言えば苦手な顧客ではないかと思っていましたが、実はそうではなく電話が便利だから使っているという理由もあるようです。
例えば宅配便の不在通知を見て再配達を依頼するときは、自動応答で依頼する事も多いと思います。
例えば 1を押せば料金問い合わせなので、発信元電話番号をキーにデータベースを検索して情報があれば、料金を音声で案内します。
これは、TwilioのDigitsや、TwimlのSayタグを使って実現することが出来ます。
実装するためのソースコードなどはこちら「LINEとAWSとTwilioとkintoneでBOTを作ってみるハンズオン (6) Twilioからの電話受付と登録処理」の記事をご確認いただければと思います。
同様に3が押されれば、発信元電話番号をキーにデータベースを検索して情報があれば、解約手続きを自動処理します。
2が押された場合は新規の申し込みになるのですが、既存顧客かどうかを発信元電話番号をキーにデータベースを検索して情報があれば、申込み手続きを自動処理します。
情報がない場合は新規顧客なので、SMSへ申し込みフォームを送信します。
SMS送信をやってみた記事はこちら「Twilioで押されたプッシュボタンに応じてURLをSMSで送信する」にあるので、あわせてご一読いただければと思います。
4が押された場合はその他なのでオペレーターへつなぎます。
これで、料金照会、申込み問い合わせ、解約はオペレーターが介さなくてもよくなるかもです。
4のその他も、比較的多い問い合わせは自動音声のFAQを用意するかFAQサイトへ誘導するSMSを送信するなどして、運用しながら機能を増やしていくといいと思います。
フォローメール自動送信
すでに登録済の顧客で登録されたメールアドレスがあれば、自動応答した内容をフォローメールとして送信してあげればいいと思います。
メールの送信はSendGridなどを使えば自動化出来ますし、メールが到着したか、開封されたか、本文内のリンクがクリックされたか、拒否されたかなど追跡して、分析することも出来ます。
こういったメール送信後の情報もユーザーと紐付けて、担当者の負担にならないよう自動化して蓄積しておくほうがいいかなと思います。
SendGridについて書いている記事はこちらをご参照ください
顧客特定の自動化
では、どのように顧客情報を特定するかです。
Twilioでは電話がかかってきたときに、プログラム(API)にパラメータとして情報を渡すことが出来ます。
もちろんその中に発信元の電話番号もあります。
プログラムでその電話番号を受け取って社内のデータベースを検索します。
記録の自動化
記録は、電話番号で特定した顧客のIDに紐付けるように記録すればいいと思います。
すでに問い合わせ管理などのシステムがある場合はそのシステムのAPIを経由して挿入すればいいかなと思います。
ここで自動記録出来るのは、前述の自動応答した 1.2.3のいずれかの記録となります。
さらにフォローメールが届いたか、メールは開封されたか、リンクはクリックされたか、などもSendGridなどのメールトラッキングサービスから取得して紐付けておくと、その後の対応に便利かと思います。
内容未記録の入力補助とアラーム
「4.その他」が押されてオペレータにつなげる方法はTwilioのリダイレクトを使用してオペレーターの電話番号へつなぐ方法が考えられます。
この電話の転送はTwilioのTwiml(Twilioが認識するXML)のDial機能で実現出来ます。
この転送先の電話番号は、プログラムでTwimlを動的に生成することで、例えば顧客に応じて変更したり、時間がコールセンターが業務外の場合は転送せずに Sayタグで時間外の案内を流したり、または携帯電話に転送するなど、動的に柔軟な制御をすることも出来ます。
「4.その他」が押されてオペレータにつながる場合ですが、オペレータはその問い合わせ情報をデータベースに記録すると思います。
そのときにこれまでどおりに名前や生年月日など個人情報を聞いて検索する、ではなく、すでにこの時点でプログラムが電話番号を持っているので、転送するのと同時に、顧客情報を検索して、情報があればその顧客の問い合わせ情報を登録するページへのリンクを、SlackやLINE Worksなど、ビジネスチャットに流すことも出来ると思います。
リンクのURLは、構成がデータのIDをあらわしていたり、URL一発でその画面にいけるようなシステムの場合は作りやすいです。
例 : kintone
アプリIDとレコードIDが分かれば編集モードで開く画面に一発でいけます。
https://ドメイン/k/アプリID/show#record=レコードID&mode=edit
そしてそのリンクをクリックすることで、その顧客の情報が見えるページを開いたり、内容以外がすでに登録された問い合わせレコードの編集画面を開いたりとできれば、オペレーターさんの作業も少しは軽減されるかなと思います。
あと、自動で電話番号と、あれば顧客情報、問い合わせ日時を自動登録するので、記録漏れのレコードは内容が未記入のレコードとなり、機械的にピックアップ出来るようになります。
内容を未記入のレコードはアラームメールをはやめに配信して記録漏れをなるべく防ぎます。
最後に
大きな改善ではないかもしれませんが、スモールスタートや部分的にできそうな改善を考えてみました。
いきなり電話番号を変えることは難しいと思いますので、何かのキャンペーンで専用の電話番号を用意したりする場合に試してみるのもありじゃないかと思いました。
今使っている基幹システムやコールセンターシステムが柔軟に連携出来ないものであっても、間にkintoneなど柔軟なサービスを挟むことで間を埋めていくやり方も出来ると思います。
Twilioのサービスもどんどん機能追加されて、Functionsでコードを実行したり、Studioで電話がかかってきてからのフローがGUIで作成できたり、と、Twilioのサービスを使うだけで出来ることも拡がっています。
個人的に得意な方法でTwilioとAWS API Gateway + AWS Lambdaを組み合わせて使用することで動的にTwimlを生成して電話がかかってきてからのフローを動的にする方法を過去の記事にのせていますので、こちらもあわせてご参照いただければと思います。
TwilioからのリクエストをAPI Gateway+LambdaでTwimlを返して処理する
他のTwilio関連の記事はこちらです。
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以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
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開発ベンダー5年、ユーザ企業システム部門通算9年、ITインストラクター5年目でプロトタイプビルダーもやりだしたSoftware Engineerです。
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