ヤマムギ

growing hard days.

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Cybozu Days 2021「kintone hive tokyo vol.14 <kintone AWARD ファイナリストによる事例講演>」を観ました

      2021/11/01

Cybozu Days 2021でkintone hiveセッションを観ました。

医療法人社団 双愛会の清水さん

在宅医療における関係者、情報をデータベース化したいということで4年前に他社システムを導入して失敗した。
他社システムは導入2年で契約継続を終了して、kintoneに乗り換えた。
3日でアプリを作成して、必要最低限の機能からスタートした。
「小さく作って素早く軌道修正」
早く作って早く試せる。
これこそ内製化のいいところですし、kintoneの特徴ですね。
導入後半年ぐらいして機能要件の課題が蓄積されていって、孤独感を感じ始めていた。
そしてCybozu Days 2019で同業種の仲間やコミュニティに出会った。

そしてカスタマインなどをフル活用して課題をすべて解決していった。
情報の集約、バラツキのない入力、チャットへの共有をkintone、カスタマインでノーコードで形にした。

新型コロナ禍での診療に対応するアプリを1時間で開発できた。
「この1時間は2年間の継続的な取り組みがあったからこそ実現できた1時間」で発表を締められました。
現場の目的のためによりよい使い方に取り組まれていたからこそですね。
これも内製化の魅力と効果なんでしょう。
業務やサービスを最も身近で知ってて、現場の人たちとフレキシブルに会話できるから、急な要件発生にも対応できるんですね。

美濃加茂市社会福祉協議会の麻生さん

有事に急に使い始めるのではなくて、有事のために平時に使って慣れていく。
アプリケーションに人があわせるのではなくて、人にあわせたアプリケーションを用意することができるようになった。

3年前の平成30年7月豪雨では岐阜県にもたくさんのボランティアさんが駆けつけて長蛇の列ができていた。
受付が紙ベースで非常に時間がかかっていた。
この課題にkintoneと二次元バーコードで解決できないかと考えた。
これを次の有事のために平時で活用してみてテスト運用していった。

全国各地の社協職員さん約200人にIT活用のお話をされた。
社会福祉協議会はノウハウの共有が得意な業界で、kintoneはノウハウが共有されればされるほど便利なプラットフォームなので、社会福祉協議会とkintoneは相性がいい。

みなさん、必要だからkintoneを使った、必要だからアプリケーションを作った、なんですよね。
すごく当たり前なんですけど。
だからこそ必要なアプリケーションが正しく作られていく。

相互電業の今野さん

犬と一緒に過ごしながら働きたいといいうことで、在宅勤務をしたいというエゴを実現するために、約30名で構成される企業で2018年からkintone導入を開始された。
「工事の情報は担当者の頭の中、超属人化」
「現場は工事に集中したいので変化を避けていた」

  • 問題解決メソッド – 理想と現実のギャップを課題として抽出する。
  • ざつだん – 社長とざつだんして理想が同じであることを確認。現場の人とざつだん。現場の理想やアプリの導入について話し合う。
  • kintoneで実現 – ざつだんしながらアプリで問題解決しながら使ってみた。プロセス管理の図解化、意見箱を用意して反映することで従業員のみなさんの「わたしのkintone」にした。

使われないから呼びかけてみても無反応なので勇気をもって聞いてみた。
「必要ない」「困ってない」「不便になる」という声があって、現場の理想と自分の理想のギャップが確認できて、現場の理想を確認するために、1人1人の意見と部門代表の意見をワークショップで確認することを繰り返した。

最初はスレッドからはじめてみた。
「見えるようになるとチームワークがうまれる」

エクセルで集計業務をしていた日報をkintoneアプリにした。
日々の報告だけで月次など特定期間の集計が不要になった。

30人30通りの業務フローが30人で協力しあう業務になった。
年間1000時間、400万円の削減に成功した。

当初の目的(エゴ)であった茶茶丸を幸せにしたいも達成できた。

「エゴこそが業務改善の種になる。」
ほんとそうですね。
働いている自分の幸せがあるからこそ、会社もサービスを提供するお客様も幸せになる、ですね。

愛媛バスの森川さん

今期は500万円の経費削減が実現できた。
2013年はクレームがあると大量な紙の資料から情報を探して、電話は保留から折り返し対応にして担当者に伝言してひとまず終了。
そんな不安な状態だった。
当時はバス22台の受注管理をノート6冊で行っていた。

2018年にkintone導入。
ここで最初の壁。
システムを導入しようとすると、「業務を増やす」「手間が増える」と抵抗反応があった。

なんとか業務改善のためとして導入したけど、2つ目の壁。
「言われたらやる」とやらされ感でスタートしてしまった。
ひとまずkintone導入をやめた。

会社の未来について話しあって、自分以外の人がどんな仕事をしているのかを知るためのワークショップを行った。
相手を思いやる情報共有が必要と気づいた。
そしてそのためのツールとしてkintoneを導入した。

そして3つ目の壁。
情報の入力方法が自由になっていた。
ルールを設けた。
紙を禁止してすべてをkintoneから入力にした。
入力ルールは設定するけど、自由に書けるフィールドも用意した。
「要処理」のチェックボックスを作って、自分が要処理をつけたレコードは自分で処理する。
処理が終わったら「要処理」を外す。

さらに教育プロセスとして、「相手を思う情報共有をするためにはどうしたらいいですか」を問い続けることにした。

案件管理アプリを作ったことによって元々使っていたシステムを解約することで500万円の経費削減になった。
ライトプランなのでカスタマイズなしでkintoneの機能を使い倒してアプリケーションを構築された。

情報共有を大切にする文化ができてきたことで、新型コロナ禍では、30以上のアイデアが出てきた。
SDGsに取り組んだり、旅行気分を味わってもらえる新規事業(地元の名産のセレクト販売)をはじめることができた。

サエラの田中さんと西川さん

情報管理に困っていた人事部門とシステム担当の総務部門さんとのお2人の登壇。
各部門によって考えが違う、心の声をそれぞれが話している舞台を見ているようで、笑いがあるという意味ではなく面白かったです。

新卒採用業務において、年間1000人ほどの学生さんとやり取りを行っていた。
その管理に表計算ソフトを使用していた。
ファイルやデータの修復に時間がかかってしまうこともあった。

現場は情報管理に表計算ソフトを使っているのは、こだわりがあるからではなくて、他の手段を知らなかったから。
でもそれをシステム担当は最初は気づいていない。
なのでお互いがヒアリングや提案を繰り返すことで徐々にお互いを理解していく経過が見えました。
これもkintoneだと繰り返し作り直しができるのでやりやすいですね。

「わからない」で嫌いにさせない。
「自分で作る」から「他人ごと」ではなくなり「自分ごと」になる。
「自分で作る」から気兼ねなく改修できる。

そして冒頭に出てきた表計算ソフトで管理していた情報をアプリに移行することができ、様々な改善につながった。
ネガティブタイムの削減、いいですね。

「知恵は貸しても手は出さない」
今日よく出てくる『伴走』というキーワード。
これこそ内製化支援に効果的なんですね。
手を動かす人の、気づきや自分ごと化。
それで人がITスキルを得るということではなく、ビジネスや人生において、学び成長する。
そして組織メンバーが強くなる。
部門内製化のメリットすごく大きい、と改めて思います。

RGCの當眞さん

RGCさんは琉球ガラスの製造、卸、販売、ガラスのテーマパーク運営などをされている。
従業員数は約70名。
2019年にPOSの改善として、スマレジとkintoneをAPI連携してコスト削減などになった。

「シークヮーサー問題」とは、「シークヮーサー」という文字は表記ゆれがすごく違う文字。
これと同じで商品名にも揺れがたくさんあった。
kintoneでルックアップが使い物にならなかった。
バーコード数値を入れるようになって解決したけど、サブテーブル入力が横スクロールもあって手間だった。
バーコードスキャンで自動入力できるようにした。
バーコードリーダーは2000円ぐらい、ライトプランでも実装可能。

「望さんが休む問題」とは、スーパープレイヤーが休むと他のスタッフがわからない。
でも実はデータはスマレジにあった。
このデータをkintoneに連携して見える化した。

「信用できない理論在庫問題」とは、在庫があわないから理論在庫の数値は現場で信用されていなかった。
データを連携することで、正しい在庫数をデータ化した。

現場にあわせた言葉で課題を共有して、みんなで対応することが重要。

kintoneは掛け合わせが強い。
APIって大切ですよね。

「ガラスは再利用できるのでガラスのハートは傷つけば作り直せばいい」とガラス屋さんならではの言葉で締められてました。


最後までお読みいただきましてありがとうございました!

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