Developers Summit 2024「技術的負債との戦い! PR TIMESエンジニアチームのオブザーバビリティ改善ジャーニー」を見ました
New Relic株式会社 テクニカルアカウントマネージャ 小林 良太郎さん
株式会社PR TIMES 開発本部 インフラチームテックリード 櫻井 慎也さん
目次
New Relic
New Relicは監視ツールではなく、オブザーバビリティプラットフォーム。
PR TIMES
サービス開始当初から10年以上が経過していて、増殖した自社製PHPフレームワーク、モノリシックアーキテクチャで構成されていた。
カスタマイズのリスクが高く、エラー原因の調査も難解で、ログは直接サーバーに接続しなければならない。
これらをNew Relicを使って改善された。
PR TIMESのオブザーバビリティへの取り組み
エラー監視(APM Errors)
エラー発生状況からログへのドリルダウンができて、だいたい原因まですぐにたどり着ける。
New RelicからSlackへアラートを通知して、該当のNew RelicのURLへすぐにアクセスできるようにした。
パフォーマンス改善(APM Transactions)
実行回数 x 平均時間 = 総実行時間が大きいものから優先的に対応された。
降順ソートして実行時間が大きいものをピックアップして、ドリルダウンして処理内容などを分析できる。
ログ監視(Logs + Alerts)
Fluentdを使って、New Relic Logsにログを転送して集約。
NRQL
SQLのようなクエリ言語。
New Relic内のデータに対してSQL検索ができる。
生成AIによるサポート機能も追加された。
デプロイスクリプトの改善
問題の多かった既存スクリプトをやめて、一から作成し直した。
最初にビルドをまとめて終わってからデプロイすることにした。
シンボリックリンクを使ってブルーグリーンデプロイをできるようにした。
移行
オンプレミス環境の問題
- ストレージ枯渇
- サポート対象外のデータベース
- 固定化されたサーバー
- 手動のセットアップ
AWSへ移行
- DMSレプリケーションでRDSへのバージョンアップも含むデータ移行。
- IaCで管理
- SSMセッションマネージャーで踏み台サーバー撤去
- New Relicへの親和性もオンプレミスよりも高い
- スケーリング、復旧が簡単に
- Lambdaなどマネージドサービスも活用できるように
- 障害発生はすぐに検知して対応
今後
- セキュリティの強化
- PHPのバージョンアップ
- コード品質の改善
感想
理想的なクラウドジャーニーのお話でした。
まず持っていくときにも、妥協なく適切な移行をして、移行後に手をつけられるところから改善を素早く行っていかれる。
SaaSやマネージドサービスで実現できるところで、躊躇なく選択されているのも良かったです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
「AWS認定資格試験テキスト&問題集 AWS認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル 改訂第2版」という本を書きました。
「AWS認定資格試験テキスト AWS認定クラウドプラクティショナー 改訂第3版」という本を書きました。
「ポケットスタディ AWS認定 デベロッパーアソシエイト [DVA-C02対応] 」という本を書きました。
「要点整理から攻略するAWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト」という本を書きました。
「AWSではじめるLinux入門ガイド」という本を書きました。
開発ベンダー5年、ユーザ企業システム部門通算9年、ITインストラクター5年目でプロトタイプビルダーもやりだしたSoftware Engineerです。
質問はコメントかSNSなどからお気軽にどうぞ。
出来る限りなるべく答えます。
このブログの内容/発言の一切は個人の見解であり、所属する組織とは関係ありません。
このブログは経験したことなどの共有を目的としており、手順や結果などを保証するものではありません。
ご参考にされる際は、読者様自身のご判断にてご対応をお願いいたします。
また、勉強会やイベントのレポートは自分が気になったことをメモしたり、聞いて思ったことを書いていますので、登壇者の意見や発表内容ではありません。
ad
ad
関連記事
-
Salesforce WorldTour Tokyo 2018で、つながる世界の熱気を感じた
去年はたしか芝公園の方だったかと思いますが、今年はビッグサイトです。 数千人レベ …
-
スマートスピーカーで提供する料理体験(Alexa Day 2019でのブログ)
以下は、気になったことのメモとか感想を書いています。 登壇者、発表者、主催企業な …
-
Java SE 7 Silver 試験対策セミナーで模擬問題の解説をマークダウンでメモってみた
Java SE 7 Silver 試験対策セミナーに行って、模擬問題にチャレンジ …
-
ヤマムギ vol.8 (AWS)EC2でLinuxサーバー構築ハンズオン 手順
ヤマムギとは from Mitsuhiro Yamashita 「AWSではじめ …
-
Developers Summit 2024「徹底解剖!?JALインフォテック様が取り組む予兆検知/早期復旧を可能にするデータ分析/活用戦略とは?」を見ました
株式会社JALインフォテック サービス事業本部 IT基盤事業部 共通サービス基盤 …
-
ヤマムギvol.21 AWSのAPIリクエストに署名を追加するデモをしました
ゴールデンウィーク10日連続朝30分のデモチャレンジもいよいよ9日目です。 平日 …
-
JAWS-UG 関西IoT専門支部「マクニカkibo + AWS IoTハンズオン」に行ってきました、というか運営メンバーとして参加してきました
2015/12/19(土)はJAWS-UG 関西IoT専門支部の記念すべき1回目 …
-
「【第2回】データ分析勉強会(尼崎Pythonの会#1)」に行ってきました
「【第2回】データ分析勉強会(尼崎Pythonの会#1)」に行ってきました。 略 …
-
『JAWS-UG 名古屋 セキュリティ勉強会』に参加しました
初心者向けAWSの守り方 JAWS-UG名古屋 森さん 初心者向けということで、 …
-
JAWS DAYS 2018 「Cost-Driven AWS クラウドアーキテクチャデザインとコスト最適化方法 – Cost-Driven AWS Cloud Architecture Design : The Lean Startup on AWS」を聞きました
以下は、思ったことや気になったことをメモしていますので、必ずしも登壇者の発表内容 …