IoTセミナー in おおさか「IoTで変わる!企業と働き方」に行ってきました
目次
これからの企業と働き方 ~IoT・AIが創造する未来~
さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中さん
- M2Mとは違い、インターネットの特徴であるオープン性を活かしている
- インターネットを介してモノとモノが通信出来る
- WWWが世界を変えた事と同じような事が起こるかもしれない
さくらのIoTプラットフォーム
- モノを作る(ハード)エンジニアとソフトウェアを作る(アプリ)エンジニアをつなげる
事例1 水稲農家向けの推移調整サービス
- 水温調整,水門開閉,水位監視
- 導入前は1日に2~3回しか出来なかった、データも取れなかった
- 的確なタイミングで必要な回数の対応が出来るようになった
- データが蓄積される事により美味しいお米を作るにはどうするか分析が出来るようになった
- 業務効率だけではない価値の創造がIoTの本質
事例2 スマートロック
- 民泊で使用
- 鍵をスマートフォンへ送って一時的に利用可能とする
AI・IoTによって変わる働き方とは
- 広義のIoT(ルールが変わる、世界が変わる)
- モノがつながりソフトウェアで制御され高度に自動化される世界
変わりゆく世界
- 労働集約型ビジネス : 労働の割合、依存度が高い産業
単純作業、労働 - 知識集約型ビジネス : 知識への依存度が高い産業
アプリ開発、ゲーム開発、バイオ研究開発
「労働集約型ビジネス」から「知識集約型ビジネス」へ
- 20世紀 第三次産業革命
IT企業の台頭,IT革命
1995年に日本のGDP推移は横ばいになった
イノベーションのジレンマ
- 成熟市場はいずれ破壊される
- 製品の品質や信頼性を向上している間に、顧客が必要としている性能水準を超えてしまう
- ワールドカップのカメラは2006年はデジカメ→2014年はほとんどスマートフォン
構造改革で作られる仕事
- コンピューターと人間をつなぐ仕事、コンピューターの中の仕事
プログラマー、アナリスト - 新たなビジネス、市場が拡大し、ハイスキルの仕事は増加する
クリエイティブクラス
- 技術者、芸術家、弁護士、起業家などの知識労働者
- 高まる「個」の力
1人で出来る事が増えている、やる気になれば何でも出来る - ものづくりのハードルも下がっている
- クラウドファウンディングでアイデアのみで資金を募集出来る
- 1人の行動力で世界を変えられる
- 企業のあるところに人が集まるのではなく、才能が集まるところに企業が集まる
- Appleが横浜にブランチを設立(日本は横浜に才能がある事に気づいてない)
- 技術や才能は流動的なもの
- 寛容性が重要(自由、開放的、多様性がある)
- テレワークは今まで出来なかった働き方が出来るようになる事が価値
良い人の採用が重要な課題
- 仕事にあわせて人を探すのではなく、人にあわせて新たな仕事を創る
- 足りない人を探すのではなく、常に良い人を探し続ける
- 事業だけにフォーカスするのではなく、チームにもフォーカスする
- 仕事はいくらでもある
多様化を活かす企業へ
- X理論 : アメとムチ、インセンティブなど(労働集約型ビジネス向け)
- Y理論 : モチベーション(知識集約型ビジネス向け)
- X理論からY理論へ
- チームや個人の力を最大化し、常に変化するスピードを高め、よりチャレンジしやすい環境へ
- オープンなコミュニケーションツール(Slack)の導入:部門の垣根を越えて会話がされるようになった
- 若手(26歳)、ベテラン(55歳)の役員登用:経営の会話がまったく変わった
- 勤務時間の短縮や管理緩和:みなし残業20時間
- 個人裁量権の拡大
- 在宅勤務・リモートワーク
- 副業の解禁:多様な働き方を得られる,同じ会社で長く残業するぐらいなら違う会社でも働いた方がいい
- フラット化:階層化をやめたことでスピードがあがり、間にはいる無駄な業務をやめる
これから目指すべき企業の働き方
- オープンで自由なフラットなインターネット文化と企業文化、制度の融合
効率化から付加価値への転換 ~精度、ツール、風土を変えると企業と人はどう変わるのか~
サイボウズ株式会社 社長室 フェロー 野水さん
- 副業を禁止することに何の意味もない
- 決まったことだけをやらせて終身保証もしない、副業禁止は犯罪に近い
- 副業OKにした結果、高齢社員がやめていった
IoTが変えるビジネスと働き方
クラウド時代のシステム開発
- 運用計画、資金繰り、詳細設計が不要になった
例 Uber
- 運転手という仕事はかなり高い可能性でなくなる
- 仕組みは単純でスマートフォンアプリとクラウドAPI
- 比較してTAXI会社は会社、受付社員、電話、専用設備、企業設備が必要
- Uberの特徴は使う側よりも働く側の便利さ
- 働きたいときに仕事が出来る
クラウドの機能
- マッチング:世界で一番すぐれたものを使う事ができる
- ワークシェアリング:働く時課を自由にする
- ナレッジ:必要な情報を世界中から得られる
ワークスタイルを変えるべき理由
- 社会環境が年功序列ピラミッド型から高齢逆ピラミッド型(20代の倍50代がいる)
- 2015年 平均就業年齢 42.3歳(性能が一番高いのは20代)
- 2014年 平均年収 415万円(15年間で50万円ダウン)
- 2011年 1世帯あたりの平均所得 548万円
- 9時~17時の時間はもうライフスタイルとしても限界
- 50代のワーカーが激増したのに給与は年功序列
- 去年と同じ仕事をして給与だけ上がったら会社の利益は下がるだけ
- 日本の労働生産性は34カ国中22位(時間単位の生産性はギリシャと同じ)
- 同じスキルと同じ行動特性を持った人を大量に育成し同一価値で競争させる
- 一度離職すると元の給与に戻れなくなるからしがみつかなければならなくなる
- 100人いれば100とおりの働き方
サイボウズ
- 新卒5,000エントリーシート、2,000人面接
- 自立を求め、多様性を受け入れる
- 例えば「部長」は偉いのではない、ただの役割、いつでも変われる、野球部のマネージャと同じ、環境の整備が仕事
- 身分制度を作るからおかしくなる、イスで階級を分ける事に何の意味もない
- こうなったきっかけは離職率が28%に上昇したとき
- 自立した多様な社員は付加価値を生むことが目的、カスタマイズ型、変化に適応
選択型勤務制度
- バリバリ働く(裁量労働制) vs のんびり働く(時間管理性) 半年ごとに選べる
- 時間と場所を自由化するウルトラワーク
- 一度時間を減らして(1日5時間とか)年俸を落としたとしても、また元に戻る事も出来る
休暇制度
- 育児休暇、介護休暇、育自分休暇
- 誰の面倒を見るときでも最大6年間
- 休暇中も会社の動きがグループウェアで見えるようにしている
- 育自分休暇にしておいてライバル他社に就職してみる人もいる
結果、ちゃんと戻ってきてくれる。他社のノウハウも身につけてきてくれる。
多様性の施策
- 自由に作れる部活動(年1万円/人)
- お誕生日会(3,000円/人)
- 部内イベント支援(年1万円/人)
- 喜びの叫び(四半期の全社懇親会)
- 仕事Bar(仕事について語る場、1,500円/人)
- イベン10(単発のイベント補助、1回半額)
会社でイベントするより自分たちで勝手にやるならどんどんやる - 人事部感動化(社内い感動を作る専門職種)
- 副業の自由化(誰でも会社に断りなく副業可能)
- 独立支援制度
- これらによって社員同士のコミュニケーションが活性化され、優秀な人が集まり、在籍を続けてくれるようになった
- 人にスキルを求めるのであれば、労働時間はどうでもいいはず
- 松本市でリモートワーク1日4時間以上で採用募集したらいくらでも優秀なプログラマーが集まった
自立と多様性
- 離職率 28%から3.4%に
- 柔軟な組織と人事が可能になった
- 優秀な人材獲得
農業(レタス生産)でのIoT事例
- センサで値を収集してkintoneで分析
- 生産量、販売可能量、販売量をkintoneで管理
- 余剰見込み管理も出来ている
- 情報のコミュニケーションが円滑になった
- パッケージ製品では出来ない事が多かったし、導入後の改善が全く出来なかった
中小企業の経営を変革する、IoTの活用とその可能性(トークセッション)
ここからは感想を書いたツイートを掲載します。
「導入はトップダウン」でもやっぱり自分としては使いたくないもの使いたくないし、人にも強要はしたくないな〜、選びたいし選んで欲しい #bokenai
— 山下 (@yamamanx) 2016年9月25日
「マンションの価格評価のセンサーによる自動化」これはいいですね #bokenai
— 山下 (@yamamanx) 2016年9月25日
こだわりを捨てて本業じゃないとこにいかなければならない。本当そうですよね。課題が解決されれば、解決するべき課題もどんどん変わっていきますね。 #bokenai
— 山下 (@yamamanx) 2016年9月25日
事業会社の強みはサービスを創出する力で、そのためには技術力が必要で、かつそれを支える文化が重要だと思います。なので今日お話のあった働き方や多様性を容認するといった事が大切なんだろうなと思う。 #bokenai
— 山下 (@yamamanx) 2016年9月25日
「自社でやっているだけじゃ限界がある。社外も巻き込んでハッカソンしている。」そうなんですよね。なので勉強会は出来る限りオープンでやろうとしています。でも社外の比重が多くなりがちなんですよね。なので社内に特化しないといけない場合もあるのかと。 #bokenai
— 山下 (@yamamanx) 2016年9月25日
「ITのノウハウは陳腐化するから隠しても仕方ない。逆にオープンにして相手のやる気をなくさせる方がいい。」 #bokenai
— 山下 (@yamamanx) 2016年9月25日
イノベーションが起これば、仕事はなくなったり新たに出来たりする。
その中で同じ事ばっかりしている場合じゃないんですよね〜。
働き方も変われば、自分のやる事も変わっていく。
あと、アイデアは常に意識が向いてなければ見逃すものだと思っております。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
「AWS認定資格試験テキスト&問題集 AWS認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル 改訂第2版」という本を書きました。
「AWS認定資格試験テキスト AWS認定クラウドプラクティショナー 改訂第3版」という本を書きました。
「ポケットスタディ AWS認定 デベロッパーアソシエイト [DVA-C02対応] 」という本を書きました。
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開発ベンダー5年、ユーザ企業システム部門通算9年、ITインストラクター5年目でプロトタイプビルダーもやりだしたSoftware Engineerです。
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